大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和23(れ)682 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人折田清一の上告趣意について。

論旨は本件第一審の公判に於て裁判所が冒頭被告人に対して、弁護人を附し得る

旨を明示せず、その必要の有無を糺さなかつたにも拘わらず、原審判決が、その公

判調書を援用したのは、憲法の大精神に背馳せるやの嫌なきを得ないものであると

いうにある。

しかし記録を調べてみると原審に於ては、成程第一審公判調書について証拠調を

しているけれども、原判決がこれを証拠として採用していないことは、その判文自

体によつて明かであるから、論旨に『其調書を援用したる原判決』と言つているの

は、誤解に基くものである。かょうに第一審における取調が、原判決に何等の影響

をも及ぼしていない場合には、仮りに前者の手続に関して違法があつたとしても、

それは上告の適法な理由とならないこと、既に屡当裁判所の判例の示す通りである

から、論旨は凡て採用することができない。

右の理由によつて刑事訴訟法第四四六条に従い主文の通り判決する。

以上は裁判官全員一致の意見によるものである。

検察官 小幡勇三郎関与

昭和二三年一一月二日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎

裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

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